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理想像

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「不平不満を言わない事」というのはある意味人間の課題ですよね。

このことについて考えていたら、急に亡くなった母の事が思い浮かびました。

母はカトリック教徒でしたが父は無宗教。と言っても一応仏教徒ということにはなってました。お寺の檀家になってたので。でも仕事人間でお坊さんとの交流はほとんどなかったですね。ただお金を納めてただけ。

強いて言えば、父は「自分教」の信者だったかもしれません。完全に俺様タイプ。(笑)

当然のように父と母は全く別の世界で生きているかのように違うタイプでした。性格も生き方も考え方も。

母は、父が酔っぱらって帰って来たり行儀が悪かったりなどのことについては嘆いてましたけど、家事を手伝ってくれないとか子育てに協力してくれないとかそういうことには文句を言うのを聞いたことがなかったです。

多分、本人の性格や考え方だけじゃなくて時代性もあると思うんですよね。

最初から「そういうもの」と思っていたんだと思います。良いか悪いかは別問題として、とにかく「そういうもの」と思っていたから、つまり家事も子育ても自分がやるものだと思っていたから父がやらなくてもそこには不満がなかったのだと思います。

実際、当時は父親が家も顧みずに仕事ばかりしている、というのは珍しくもなんともなかったのです。

今はいろんな意味で「理想像」というのが示されています。イクメンなんていう言葉もあるし。夫婦のことだけじゃなくて、様々な面で「より良い姿」「あるべき姿」が追及されてます。良い上司、良い先輩、良い友達・・・等々。

だから人々が「そういうもの」と考えるレベルが上がっているんですよね、きっと。つまり、敷居が高くなっている。

そうなると不満が出てくるわけです。「こうあるべきなのに、どうしてあの人はそうじゃないの?」というふうに。

そう考えると「理想像」というのはある意味危険だな~と思うんです。あくまでも目標として目指すべきもの、として捉えるなら良いと思うんですが、こうすべき、こうあるべき、と捉えてしまいがちなので。

「こうあるべき」なのにそうじゃない現実を見ると、不満が生じ、もっといくと人を裁くことになってしまいます。

なんとなく・・・理想像というのはあくまでも努力目標にしておくべきなんじゃないのかなと思うんです。だからといって理想像がなくていいとは思いませんよ。あった方が夢があるし、目標ができて方向性が定まるし。

でも、理想像を義務にしちゃうと危険だな~と思うんです。今は世の中全体が理想像を暗黙のうちに義務化しちゃっていて、理想的じゃない人は義務を怠っている人みたいな扱いになってる気がするんですね。その結果自分たち同士で首を絞め合っているような気がします。

自分に対して理想像を義務化している人も多いと思うんです。その結果、精神が疲弊しちゃってる人も増えてるのかなと。こうあるべきなのにそうできない自分はダメ、という風に。

「理想」というのは文字通り理想的なものであってそれ自体は良いものだけれども、それをサタンに利用されている気がします。

神様は理想像や理想世界を示してくださるけれど、それは人を締め上げるために、人を蹴落とすために示しているわけじゃありません。

理想像や理想世界は目指すべきゴール地点です。ゴール地点がなくただ走り続けるのも辛いですよね。だからゴールはあった方が良いです。

でも、あくまでゴールであって今現在そうじゃないことを神様は責めません。そこに向かって行くことが大事なのです。

「理想像」という美しい言葉で人を裁き合ったり自分の首を絞めたりするのは神様が望んでいらっしゃることじゃありません。

理想像は計りざおにすべきじゃないと思います。人を計る道具にしてはいけないということです。

私達は神様じゃないから。ただの人間。人を計る権限もありません。

そこを忘れてはいけませんね。

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