毎年、8月はピティナというところが主催するピアノコンクールがあります。
昨日(8/19)はG級というカテゴリーの全国大会決勝がありました。
A級が小さい子の級でB級、C級とだんだん年齢が上がっていき、G級の次は特級になります。
特級は音大生や大学院生が多いですね。
今年はコロナの影響で普通にはコンクール開催ができなくて、ビデオ審査で予選通過した人が決勝に出たようですが、全国大会決勝は会場で行い、それをライブ配信していました。
私は結果の部分だけ後から見たのですが、その結果発表の前にピティナの理事長のあいさつの言葉があり、それが印象的だったので一部ご紹介したいと思います。
理事長によると、今年のG級の全国大会決勝進出者の中に、A級の時からずっとコンクールに参加していたけれど、予選落ちし続けていた人がいたそうです。
実名は出してませんでしたが、その子のことをものすごく褒めていました。
これはとても凄いことだ、と。
負け続けても委縮せずにやり続けること自体が一つの能力だ、というようなことを言ってました。
芸術の世界なので勝ち負けで考えるのはどうかという問題もありますが、コンクールなのでどうしてもそういう概念が付いてきます。
予選落ちを負けと考えるかどうか、という問題はちょっと置いておいて、ここでは便宜上予選落ちを負け、予選通過を勝ち、と考えると、A級~F級まで予選落ちしていたという事は、6連敗していたということになります。
理事長曰く、負けて萎縮してしまうともうそれ以上できなくなってしまう、だから結果に委縮しないことが大切だ、ということでした。
G級の結果発表の前にこんなことを言っていたのは、きっと、出場者の演奏がみんな素晴らしかったのに、それでも1~3位までを決めなくてはいけなくて、それが忍びなかったのかな?と思いました。
実際、G級の全国大会決勝って大人顔負けの素晴らしい演奏する子が多いんですよ。
私なんてとても足元にも及ばないな、というレベル。
大体10代後半くらいの子たちなんですが、きっと夏休み返上で日々猛練習していたと思うのです。
実際、こういうコンクールの全国大会に出るような子たちって毎日8~10時間くらい練習してるんですよ。
それでも金賞・銀賞・銅賞に入る子と入らない子が出てきます。
中には、本番で緊張してしまって思うように弾けなかった子もいたと思います。
つまり、ものすごく努力して頑張ったけれど入賞できない子も出てくる、というか、そちらの方が多いという事です。
それでもその結果に委縮せず、今後も研鑽を続けてほしい、という思いなんでしょうね。
これはピアノの世界だけでなく、すべての分野で同じことが言えるんじゃないのかな?と思いました。
実際、現実はそんなに甘くないですよね?
物凄く頑張ったけれど自分が望んだ結果にならなかった、なんてことはだれでも経験したことがあるんじゃないかと思います。
むしろ、自分は頑張りさえすれば100%望んだ結果が得られる、なんていう人はごく少数派なんじゃないでしょうか?
だから「結果に委縮しない」ということは人生を通して大事なことなんじゃないかなと思いました。
委縮せずに結果を通過点と認識できれば、それを踏まえて同じ分野をもっと次元を上げるように頑張ることもできるし、他の分野に挑戦することもできます。
しかし、心が委縮してしまったら「自分は駄目なんだ」という思考に陥ります。
こうなると、他の事にも挑戦できなくなってしまい、場合によっては人生がそこから先に進めず、止まってしまいます。
私たちにとっての本当の結果は天国です。
この世でいう結果とはあくまでも通過点での結果です。
「結果に委縮しない」。。。私もこの言葉を肝に銘じよう!と思った次第です。